働き方改革やテレワークの普及に伴い、さまざまなクラウドサービスが急激に発展・定着した。従来、オフィス内からしか接続できなかったシステムやストレージが場所や時間を問うことなく利用可能になったことで、多くの利便性がもたらされた。しかし一方で懸念点として高まりつづけているのが情報セキュリティの問題だ。
クラウドサービスを利用するメリットとしては、業務上必要な一部の機能を迅速かつローコストで導入・運用できる点などが挙げられる。しかしながら、どうしても外部環境を使用することになるため、従来オンプレミスで運用してきたような強固なセキュリティを実現することは困難だ。そのためサービス利用者側もデータの運用方法に意識的になっておく必要がある。本書ではそうした運用面でセキュリティリスクを担保する手法が、3つのポイントを通じて解説されている。
またクラウドサービスを複数併用しているというケースも今や珍しくないだろう。本書後半ではこうしたマルチクラウド環境でのセキュリティリスクに配慮したデータ運用手法についても解説。クラウド運用のポイントと有事の際に留意しておきたい法律面の知識もカバーしている前半パートとともに、クラウドを通じたデータ管理におけるリスク管理を幅広く押さえることができる内容となっている。クラウドサービスを安全かつ効果的に運用していくためにも、ぜひ部門を越えてご一読いただくことをおすすめしたい。