「ドローン」という言葉が国内外で周知され始めてから、すでに10年以上が経過した。プロペラで飛び、空中で静止できて、小型で、そして色々な撮影ができる。「ドローンはカメラである」という認知も、国内では広がっていることだろう。実際、テレビ番組における空撮、観光PR映像の撮影などではドローンが大活躍している。

 

しかし、ドローンの価値はそれだけに留まらない。産業用途、特に近年は「点検」のためのツールとして活用が進んでいるのだ。例えば橋梁の点検。これまでなら足場を組んだり、高所作業車を準備するなどして、作業員が点検カ所を目視するのが普通だった。しかしドローンがあれば、空撮によって目視カ所を減らせたり、鉄骨の形状変化を赤外線カメラでデータ化するなど、従来の枠にとらわれない点検が可能になるという。

 

ドローンがもたらす利便のうち、特に「点検」にフォーカスをあてているのが本書だ。ドローン点検だからこそなし得る4つのメリット、事例解説、そして点検業務に最適なドローンの紹介まで、とにかく「ドローン点検」尽くしの1冊となっている。公共インフラ、建築物、太陽光発電設備などの維持業務に関わる方は是非ご一読を。きっと新たな発見があるはずだ。