個の集合が組織となり、業務の集合が企業活動を促進し、ビジネスは躍進する。“個”つまりは社員と業務の関わりがビジネスの原初といえるだろう。近年は働き方への改革が提起されてきて、さらにコロナ禍での業務はオフィスを離れ、テレワークへ急激にシフトした。

 

今日では、オフィス出社とテレワークを融通させるハイブリッドワークを実施する企業も多い。対人ならではのコミュニケーション、通勤を排除する時間的余裕や一人集中する環境など、それぞれの長所を適時使い分けることを可能にしている。社員各々が現在応じる業務によって環境を選択できることは、ストレスの低減などのメリットが多く、生産性の向上も期待できる。前出の通り、企業ビジネスは“個”を基本として組織で完結されるものであり、業務には連携がなくてはならない。一見して良いことづくめのハイブリッドワークだが、マネジメント層を中心に連携に難しさを感じるなど、課題を抱える組織も少なくない。

 

マネジメント層はプロジェクト管理に着目し、様々な施策がなされている。属人化やブラックボックスなマネジメントは排除され、プロジェクト管理ツールの普及も進んでいる。本書は、事業規模、業種、職位を問わず、広く国内1000名のビジネスパーソンを対象としたプロジェクトに関する実態調査をお届けする。調査の対象が「プロジェクト管理ツール利用者」であることに是非ご注目いただきたい。12の設問を展開し、数値に基づく結果提示に留まることなく、利用者の生の声を丁寧に拾い「プロジェクト管理ツール」へのメリット、デメリット、課題が適確に整理分析する。組織に潜在する課題を掘り下げ“働き方”“業務の質”の向上に役立つ内容となっており、特にマネージャー諸氏のご一読を強く推奨する。