たった一度の素晴らしい体験が生涯にわたるロイヤルティを決定づけることもあれば、逆にたった一度の不快な体験がその企業と距離をおく契機になることも珍しいことではない。それは、読者諸氏の日々の消費活動に照らしてみても頷けることだろう。
CX(顧客体験)が極めて重要なのは自明とはいえ、組織として一貫した優れたCXを提供し続けることは簡単なことではない。チームやプロセス、データのサイロ化などによって業務品質にバラツキが生じている例は枚挙に暇がなく、どの企業にとっても喫緊の課題として立ちはだかっているのが実情だ。
そこで本書は、そうした課題を解決しつつCXを改善させるための3つの重要テーマを整理。具体的には「魅力的なエクスペリエンスのためのコンテキストの構築」「顧客自らがカスタマージャーニーを操作できるようにする」「チャネル間の継続性を維持する」であり、いずれも豊富な事例と絡めながら具体論を展開しているので多くのヒントが得られる。CX向上に強い関心を持つビジネスリーダー必読の資料だ。