近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)を戦略に取り入れない企業組織は皆無に等しい。以前であればITに関する設備投資やアプリケーションの導入になどによって、他社との差別化・競争力は一定数確保できていた。しかし企業にとってデータの価値が高まりはじめると“何を使う”では競争力は担保されず、“いかに活用するか”に重点が移ってきている。

 

かつては潤沢な予算を持つ各業界のトップランナー企業だけが活用可能であったが、クラウドの台頭や各種サービスの充実などによって事業規模を問わずにDXを推進できる時世に至っている。さらにAIを筆頭する新たなテクノロジーも盛り上がりを見せ、重要インフラや行政サービスなど社会全体でのDX化もますます盛んになってきている。慎重に全盛期を待って自社の方針を打ち出すような“追従型”では、企業競争力の確保は険しいものとなるだろう。自社のみならず業界単位でもなく、より広い視野をもって挑む未来志向のデジタル戦略がすべての企業にとって最も必要なのではないだろうか。

 

本書「生成AIが加速するDX Society5.0への道」は『DIGITAL X』のコンテンツから必読記事を抜粋・再編集した特別編集号となる。本書では、急成長を遂げるNVIDIAのAI革命や、製造業がソフトウェア化で直面する革新の波、さらに自治体DXが社会に与えるインパクトまで、成功事例を通じて未来のビジネスのあるべき姿を具体的に収録する。経営幹部が抱える「AI戦略とビジネス戦略の不整合」という課題にも、調査データを交えた解決へのヒントを多く収録している。AI、クラウド、IoTといった最新技術でいかに変革を起こし、さらに自社の成長につなげられるか? 未来に必要な戦略的視点を養う内容となっている。