事業規模や業種を問わず、企業において顧客との関係性というものは重要な経営課題である。「モノよりコトを売る時代」といわれる現代において、「顧客中心主義」の思考は確実に浸透しており、企業の経営層から、販売・営業の現場、コールセンターなどのアフターフォローに至るまで、意識されるべきだといえる。
顧客との関係性を重視するという考えについては、すでに1970年代からCX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)という言葉が存在している。米国CCMC社 (Customer Care M easurement & C onsulting) 副会長のジョン・A・グッドマン氏が提唱した考え方だ。既にこうした考えを重要視している、もしくは常に重要視してきた企業も多くあると思われるが、昨今のデジタルの著しい進歩によって、顧客を取り巻く環境は大きく様変わりしている。このような変化をとらえながら、「顧客中心主義」を実現できているだろうか?
こうした今日の高度なデジタル技術を駆使して最も進化したマネジメントモデルが「CX3.0」である。
本書ではCX3.0を実践するにあたり、効果的な「9つのテクノロジー」をわかりやすく解説する。