ビジネスの第一歩は、認知してもらうことにある。大きなビジネス成果を目指すのであれば、広く人に知られることが必要だ。そしてそのビジネスニーズは文字通り「広告」文化を発展させてきた。

現在ではネット上が広告の主戦場となっており、メディア等を活用した展開も盛んだ。また、ネット検索におけるユーザーアクションを主なトリガーとする検索連動型広告(リスティング広告)は2002年2月からGoogle Adwordsがアメリカでサービスを開始され、Overture(現:Yahoo!リスティング)が同年11月より日本でサービスを開始し、以降現在にいたるまで繁栄を続けている。製品・サービスのターゲット外へのムダな露出を回避、予算を自由に設定できる利便性、コンバージョン(CV:Web上での最終成果)までの単価を把握することができるなど、出稿側にとって大きなメリットがあり、精緻な運用では潜在的ユーザー欲求を掘り起こし、新たなマーケットを構築することもある。しかしターゲットの分析、キーワードの選出・除外を含む日々のメンテナンスを実行するには、語彙力のみならず経験に基づく確かなスキルを要する。リスティング広告を社内で運用しているケースも多いと思われるが、成果のほどはいかがだろうか? 同業他社の配信実績と比較することは皆無であって、判断に迷いつつも惰性で運用してしまう企業は実に多い。

本書は、リスティング広告の配信実績を公開する。リスティング広告運用代行専門とする代理店が扱った高成果を記録した9つの配信実績を月額予算、表示数、クリック率、クリック単価、CV数、CV単価等、具体的な数値を交え詳細に展開する。さらにクライアントの予算と商材・業種は偏ること無く、広く深く解説する。ミニマムなケースを一部抜粋すると月額予算:10万円、クリック率:4.95%、CV数:70と驚くべき高効率な運用が掲載されている。広告の特性上、商材・サービスの営業障壁の差違、季節要因、社会情勢など、数値だけで判断することは難しいが、商材・業種のみならず、クライアントの背景や運用指針、教訓にいたるまで簡潔にまとめられている。専門家のノウハウをも開示する貴重な内容となっており、リスティング広告に対する経験の多寡にかかわらず、ビジネスに関わる多くの方にご一読をおすすめする。