ビジネスを推進する上で顧客との関わりは、時代を超えてすべての業界共通の重要項目であることはいうまでもない。しかし履歴顧客や新規顧客リストを活用して一括して同内容・手法でコミュニケーションをとっていく“大ざっぱ”な手法は、もはや前時代的といえるだろう。

 今日の顧客は“大ざっぱ”なアプローチを察知すると、嫌悪すら感じてしまうケースも多くなってきている。顧客の属性分析やインサイトに即した手法・エクスペリエンスをきめ細やかに実行していく必要がある。マーケターはデータ分析から得られる洞察を活用し、限りある資金でマーケティングを有用に実行するには、ツールやソリューションの導入は欠かせないものだ。

 本書では、マーケティング・アナリティクスと人工知能(AI)との融合に焦点をあて、実務レベルでで提案をしている。AIというと、いささか近未来的な印象をもたれるかもしれないが、本書では現時点で実行可能なものに言及した6つの戦略を紹介する。今後のマーケティング活動のあり方をも変える、大きな潮流が生じている今こそ、マーケターにとって今後の自社のビジネスを進めるうえで読むべき内容となっている。