今日のビジネス価値は、データ活用抜きで創造されることは皆無に等しい。収集されるデータは項目、種類、量が多いほど、より大きな価値を生む“価値の原石”であるともいえよう。企業はより多くの原石を求め、データ収集と蓄積に日夜余念なく、「今は必要ない項目だが、とりあえず収集しておく」ケースも多い。データの増大によってビッグデータが注目されているが、あくまで原石であって価値そのものではない。原石の山から採掘し、加工・研磨(アナリティクス)の工程を経ることで、輝く価値が創出されるのだ。

ビッグデータ時代の到来は、アナリティクスの能力と質を問う状況を意味する。アナリティクスが機能しなければ、原石であっても、価値を見出せない単なる石として、無駄に溜まっていくだけだ。。そのような状況を回避する特効ツールとして、ディープラーニングが台頭し、ビッグデータを進化させてきた。

本書は、ディープラーニングの基本と応用、さらにディープラーニング・モデルの作成までを解説する。ディープラーニング実施の根幹である、ニューラルネットワークの概念と役割に始まり、わかりやすくていねいに展開している。読者諸氏もご存知のようにディープラーニングは金融や医療をはじめ、さまざまな製品開発やサービスに欠かせない技術でもある。また、データの量・項目が巨大であればあるほど真価を発揮するため、企業規模や業種業界ではなく、対峙するデータの大きさで採用すべきである。ディープラーニング未経験の諸氏は、本書をご一読いただき、臆することなくディープラーニングに挑戦してみてはいかがだろうか。