企業は、内的課題だけでなく外的な流動要因など、多くの困難・課題に対峙しつつ日々業務を推進する責務がある。激しく変動する市況だけでなく、調達や各種業務、さらには原資のやりくり等々に加え、慢性的な人材不足と労働環境の改善もすべて補完し、競争力と企業力を向上していかなければ、企業の存在そのものがたちまち危うくなる。

時流を読み解くことは常に必要だが、流動性をもつ外的要因の未来予測は難しい。ならば社内の課題を解決し、社内体制を盤石にするのが肝要ではないだろうか? その流れをうけ、RPA(ロボティックス・プロセス・オートメーション)の企業導入が相次いでいる。しかし、資金と時間と人材を投入してRPAを導入したが、運用に満足していないという企業の声も巷からは漏れ聞こえてきており、不満の傾向は大きく二つある。一つは社内の現場での運用自体が立ちゆかない。もう一つは、社内の全業務でのRPA活用を見据え、特定の業務からRPAをミニマムスタートさせたが一向に「活用の輪」が広がらないというものである。企業ごとに文化と事情が異なるため「運用の特効薬」というものは存在せず、混沌とした状況からの脱却は困難を極める。

本書はRPA運用支援クラウドサービスについて解説する。RPAの運用は一定のゴールがあるわけもなく、ゴールを通過すれば終わる類のものではないので、常に絶え間ない改善を必須とする。同サービスは一般的なヘルプデスクにとどまらず、FAQによる開発テクニック、部品・サンプル、開発運用ガイドライン、教育コンテンツなど、広く実務的にサポートする。このため社内の利用者・開発者・管理者に向けて包括的にRPA活用文化を企業に根付かすことが可能だ。継続していく運用にはナレッジの蓄積と共有が欠かせない、同サービスは社内独自のナレッジの蓄積とサポート社が運用で得てきたナレッジをも共有される特徴をもつ。RPAの運用に悩んでいる企業だけでなく、これからRPA導入を検討している企業も運用サポートサービスの導入も視野に入れて挑んでみてはいかがだろうか。導入は一時であるが、運用は続く。RPAの活用向上のためにも本書のご一読をおすすめしたい。