インターネットの進化とともにユーザーの購買スタイルは大きく変貌を遂げてきた。気になる商品・サービスの情報を容易に見つけて検討を進め、意思決定には複数のタッチポイントを活用しており、企業側とユーザー側の両方でデータ活用の成熟が進んできているといえよう。

一方で、企業の意思決定を円滑に進める役割を担うマーケターはデータの収集・集計に多くの労力を割いている。苦心の末に得た分析も意思決定者に響かない内容であったり、遅きに失するケースもあることだろう。それはユーザーの購買スタイルと比較して成熟も洗練も進んでいない状態といえる。現在ではマーケターが扱うデータ量は膨大になっており、何らかのツール活用が前提だ。市場に用意されるソリューション群は機能・質とも充実しているはずだが、マーケターにとっては断片化されたデータの羅列と見えてしまうことも多い。「ツール/プラットフォームの剪定ミス？」「マーケターの力不足？」「データサイエンティストに託すべき？」など施策をめぐらせている企業があるかもしれないが、表層だけの変革を行っても解決には至らない。原因の根幹は“戦略”にあり、「統合的マーケティング・アナリティクス戦略」へ歩みを進める必要があるのではないだろうか？

本書は、統合的マーケティング・アナリティクス戦略を成功に導く要素を“7つのステップ”で解説する。ステップは「1.ステークホルダーの決定」「2.データの統合」「3.KPIの設定」「4.アナリティクスの導入」「5.データガバナンス+IT」「6.実績の測定」「7.ベンダーの選定」と順番ごとに根本～実務へと進み、各ステップごとに意義・課題アクションが明確に展開されている。またマーケターの理解・イメージが進むように「事前に考えることは」の項目が付随する内容となっているので、全マーケター必読の内容となっている。