デジタルテクノロジーは級数的な勢いで進化を続けている。ともすると、一つひとつの要素技術に目を奪われがちだが、「これから先、世の中がどうなるか」という大局観もまた欠かせない。そこで示唆を与えてくれるのが、調査会社などが公表している市場動向の指標だ。注目すべき数字の向こう側に何が見えるだろうか。ここでは「マーケットトレンド」に関わるキーナンバーを紹介する。

11兆円
「DX推進にどれだけの効果がある？」ためらう上司を説得するのに最高の数字

DXを推進すると本当に儲かるのか？──これが恐らく、経営者たちの本音だろう。その疑問に真っ向から答えたのが、日本マイクロソフトと大手調査会社のIDC Asia/Pacificの共同リサーチからはじき出された、この数字だ。

アジア15カ国・1560人のビジネス意思決定者を対象とした本調査では、DX効果によって2021年までに日本のGDP（国内総生産）が約11兆円、年平均成長率にして0.4％増加すると予測している。なお、政府発表による2019年の実質GDPは536兆5000億円である。
　本調査では日本からも150人が回答。DXの効用について1.利益率向上、2.コスト削減、3.生産性向上などのメリットがあるとしている。

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