市場ニーズ変化の素早い察知、顧客行動への深い洞察、機器トラブルに先回りしての予知保全…。データの巧みな利活用は、直接的に、あるいは間接的に競争力へと結び付く。しかも、企業が入手し得るデータは量も種類も級数的に増えており、一方では機械学習/深層学習などAI関連技術の進化も目覚ましく、「ビジネス ✕ データ」の可能性は一気に広がると目されている。

もっとも、忘れてならないのは、いくら優れた技術やツールを手に入れても、データがそれに相応しいものでなければ始まらないということだ。データの意味や形式、粒度などが揃っていなければ初歩的な分析すらおぼつかない。例えるなら、メーカーが異なり互換性のないブロック玩具をいくら集めてきても、パーツ一つひとつが組み合わず、何も作ることはできないのだ。データの品質を体系的かつ持続的に整える取り組みなくして、強い企業など望むべくもないのである。

ここで紹介する資料は、「使えるデータ」を念頭に知恵と工夫を凝らして取り組んだ日系グローバル企業の事例だ。商習慣や営業プロセスなどが地域ごとに異なる故に、販売データや商談データ、顧客データの持ち方/粒度にも差異があり、そのままでは現状の可視化や高度な分析ができない──この難題をどうクリアしたのかが詳しく解説されている。データをビジネス価値に昇華させることに日々悩んでいる全てのビジネスパーソンにお勧めしたい内容だ。