業種業界を問わず、ビジネスにおいて「データ活用」は企業意識としては当然であり、多くの場面で何らかのかたちでデータ蓄積を行っている。読者諸氏の所属組織においてもデータの収集・蓄積に余念がないと思われるが、蓄積されたデータはどのように活用されているだろうか?

データ活用の大義は「素早い意思決定に役立てる」ことであるが、以前よりも“大義が果たせない”状況に陥る組織が今日では増殖しているという。驚くことにその現象は、企業全体でデータ活用に積極的に取り組む組織に多く認められる。原因を求めると、IT投資に積極的であるがゆえにコストと構築に優れるクラウド活用が盛んであったり、グローバルで事業をクラウド展開する企業に行きあたる。それは個々のデータの格納場所や形式の差違、利用されるシステムやツールが、クラウドとオンプレミスに分散しているためで、収集・抽出の作業自体が困難を極め、スムーズに処理されないことにある。皮肉なことにデータ活用に活路を見出すほど、本来の目的から遠ざかる現象といえる。

本書は、成長著しいアジア・パシフィック市場においてビジネスを展開するオリンパス アジア・パシフィック社がデータ活用による「営業活動の可視化」に挑み、立ちはだかる「データ統合」の課題解決に至った手法をレポートする。前述の通り、同社も“クラウド”“グローバル”のキーワードを含む企業である。以前であればIT部門が時間と作業負荷をもって解決にあたるところだが、大義である「素早い」というスピード部分には到底リーチできない。解決への方策は、多様なクラウドサービス/データソースであっても差違に囚われずアクセス可能なコネクタを有し、現場のユーザーが操作可能な次世代型「iPaaS(Integration Platform as a Service)」にあった。データ統合問題が顕在化していない組織においても近い将来に必ず突き当たる「壁」であり、データ活用を推進する上で強くご一読をお勧めしたい内容となっている。