現在では、システム開発スピードがビジネスにおいて価値を高め、競争優位性を発揮することは紛れもない事実である。だが開発頻度の増加で単位は細分化され、古典的なウォーターフォールでは柔軟性も含めてスピード感が保てなくなってきている。そこで市場の欲求がアジャイル開発を生み、リリース頻度の増加がDevOpsの一連のプラクティスを発展させてきた。

アジャイルは「考え方と学び方」から組織を改革するものだが、DevOpsでは「組織改革を強化することで目標を達成する」ことにある。ダイナミックでマクロかつミクロでもあり、働き方の改革でもあるDevOpsに対してメリットを見出すも、やや捉えづらく感じて組織での実践には躊躇するとの声も聞く。しかし技術者間でのみ通用していた専門用語であったDevOpsも、今日では経営層の口から発せられるほど一般的になりつつあり、組織改革の道標的に語られる機会も多くなっている。時代は単なる瞬発的スピードだけでなく、継続性を伴った効率・品質をも実現していく組織が求められており、DevOpsに進むのは必至であろう。

本書は、2020年におけるDevOpsトレンド調査の結果を分析を交え公開する。同調査は2020年2月にDevOpsを実践している組織に所属する開発者およびIT部門の意思決定権者500名を対象にオンラインで実施され、企業のDevOps管理方法を確認するために主に下記5つの項目について質問を実行した。

●企業はDevOpsの実践方法としてどのようなものを採用しているか?
●企業は DevOpsの成果をどのように測定しているか?
●DevOpsへの変革における障壁
●DevOpsの実践による影響
●レベル、チーム等ごとの DevOps に対する認識の差

調査結果は精緻に分析され、全38ページにわたり克明にレポートされており、DevOpsの現状を知る上で非常に貴重な資料といえる。本書は調査の結果を踏まえ、DevOpsは「やるかやらないか」という問題ではなく、「いつやるか」という問題であるとするが、「その道のりは決して平坦なものではないようである」と指摘する。DevOpsの実践/非実践問わず、あらゆる組織においてビジネスを展開し競争力を発揮するためにも、今こそ読むべき内容となっている。