2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの企業がリモートワークなど新たな働き方や、ビジネスのデジタル化への対応が迫られ、それらを支えるデジタルインフラへの注目もかつてないほど高まっている。

データセンターは、インターネットビジネスの発展とともに拡大し、震災や水害などの災害の頻発を受け、自社システムを安全な場所で運用したいという要望にも対応してきた。一方、リモートワークへの対応においては、ネットワーク環境に関わらず利用できるシステムへの要望が高く、クラウドサービスの活用が注目を集めている。データセンターでも、各種クラウドへの閉域網接続サービスを提供するなど、クラウド利用の拠点としてデータセンターの活用を呼びかけている事業者も多い。データセンターとクラウドをどのように活用していくかが、今後のビジネスインフラを考える上で重要になっている。

本書は、インプレス総合研究所による「データセンター調査報告書2020」より一部を抜粋し、クラウドに関する利用者と事業者の実績調査を公開する。調査からは、データセンターを利用している企業の方がIaaS型パブリッククラウドを利用している割合が高く、一部ではクラウドからデータセンターに移行した“揺り戻し”の状況も見られるなど、データセンターとクラウドの併用・使い分けが重要だという傾向が見えてくる。今後のITインフラ戦略を進める上でぜひともご活用いただきたい。