新型コロナウイルスの影響は全世界におよび、すべての分野で2020年は誰も予想し得なかった状況となっている。ビジネス領域では常に分析とトレンド予測が肝要だが、めまぐるしく変化し錯綜する情報から現状把握すらも困難な状況といえよう。安泰と目されていた企業であっても事業縮小やTOBなどが連日報道され、世相は混沌としてきている。
そんな状況であってもビジネスは停滞を嫌い前進を好む。企業においては商品・サービスの開発・改善はもとより、マーケティング活動にも常に効果的な前進が求められる。新型コロナウイルスの流行以降は展示会等のリアルイベントの開催は難しく、おのずとデジタルへ期待と比重は高まり、ソーシャルメディアでのマーケティング戦略が企業の将来を左右するほどの重要度を帯びてきている。しかしソーシャルメディアの主人公である消費者も企業と同様に、新型コロナウィルスの影響に曝されており、大きな変化の渦中にある。不測の事態ゆえに、あらかじめ立てられていたトレンド予測や戦略は役に立たず、いまマーケティングを前進させるためにも、必要とされるのは新型コロナウィルス流行以降の分析を踏まえた2021年のトレンド予測ではないだろうか?
本書は、2021年に向けたソーシャルメディアの最新動向をレポートする。同レポートは2020年8月14日から過去13か月間を遡った期間を分析対象期間とする。年次版として毎年発行されてきたが、特に不測の2020年におけるデータ数値は変化に富み、かなりインパクトのある分析内容となっている。世相の複雑さにも関わらず調査データに基いたランキング形式で10のトレンドに整理分類し、データ掲載・分析のみならず71人にも及ぶ識者の「専門家のトレンド予測」、10社の企業による具体事例をも併記されている。まさに多くの企業所が求める重要情報であり、非常に貴重な内容となっている。マーケティング活動における羅針盤ともいえ、混迷の時代を企業が前進するためにも、マーケティング関係者にとどまらずすべてのビジネスパーソンにご一読を強くおすすめする。