市場や顧客の動きをデータで克明に捉え、最善と思われる手を素早く打つことが競争力に結実する──。いわゆる「データ駆動型」の経営を体現することは、熾烈な競争を勝ち抜く有効策であることに異論を挟む余地はない。技術進歩によってコンピューティングパワーは級数的に上がっているし、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドなどIT基盤の機動力を高める環境が整ってきたことも追い風だ。

もっとも、何よりも重要な資産が「データ」であることを忘れてはならない。何らかの障害でデータをロストするような事態に陥ったならば、ビジネスの現場は混迷を逃れないし、場合よっては社会的信用を失墜することにも発展しかねない。それを逆手に取った、ランサムウェアのような悪意に満ちた攻撃もある。だからこそ、万が一に備えたバックアップは、企業がデジタル時代を邁進する生命線でもあるのだ。

データのバックアップ/リカバリといえば、専用ストレージをはじめとする多数のコンポーネントが必須で、設定や運用にも相応の負荷がかかると捉える向きもある。もしかすると、IT関連の経験が長いほど、そうした思い込みが強いかもしれない。しかし、かつてとは様相が異なる。市場ニーズに呼応して英知が集まるからこそ、大きなイノベーションが起こっているのがこの分野だ。

ここで紹介する資料は、米シリコンバレーに端を発し、今や世界中から注目を集めているデータ保護やデータマネジメントの最新アプローチについて言及したもの。2人のキーパーソンの対談によって、その特長や価値を分かりやすく解説している。経営資源としてのデータについて、攻守両面でとらえたいとするビジネスリーダーに強くお勧めしたい