パンデミックの影響で購買を取り巻く環境は様変わりし、日本国内においてもデジタルチャネルへの移行は劇的に加速している。こうした状況の中、企業がいまデジタルで勝つためには何に投資し、何を優先して行うべきなのか?
欧米を中心に、昨今ではメーカーや消費者向けブランドで顧客とダイレクトにつながる動き、D2C(Direct-to-Consumer)のモデルに注目が集まっている。
実際にある調査において消費者の81%が今後5年間で直販企業から購入することを検討し、すでにKelloggやCoca-Colaなど海外の企業ではD2Cモデルが次々と成果を出し始めている。

 

“顧客とダイレクトにつながる”

 

法人顧客と個人消費者には、じつは非常に多くの共通点がある。
Amazonなどの大手コマースサイトと同等の簡単で便利なオンラインショッピング体験や、商品情報や注文情報をすぐに確認できることなどを、誰もが望んでいる。
つまり、購買者は購入までのプロセスで負担を感じることがなく、パーソナライズされた顧客体験を求めている。
こうした「魅力的な顧客体験を設計する」ことは、B2B/B2Cどちらにとっても重要なアプローチなのだ。

 

本書は「顧客とのつながりを深めるD2Cスタートガイド」と題し、D2Cをめぐる状況から具体的な構築のヒントに至るまでを調査数値に基づいて多角的に分析解説する。消費者向けブランド各社を中心にD2Cへの取り組みは盛り上がりをみせ、各業界のトップランナー企業では顕著な成果が出てきている。利益率の高さからD2Cに可能性を感じ、D2Cオンラインストアの立ち上げを摸索するケースも散見される。当然新たな収益の柱としての魅力もさることながら、本書では加えて「最終消費者との関係の深耕」「様々なデータの活用によるメリット」の軸もデータに基づき理論的にわかりやすく展開している。
また、既存チャネルへの影響にも言及し、具体例を交えた共存共栄の方策を紹介する。そもそもD2Cに舵を切ることは企業にとって英断であり、課題と困難は想定されるものの途中退席は誰もが望まない。
本書には自社の忍耐力の現状を知るための6つの設問が用意され、英断を成果に結びつける展開手法も具体的に提言されている。D2C実践の教科書的な役割を担う重要な内容となっており、D2Cを模索中の企業は造詣を深め、すでにD2Cを展開している企業は自社の現状確認にぜひとも役立てていただきたい。