業界、toC、toBを問わず企業がビジネスを展開する上で、あらゆる側面でのコミュニケーションは欠かせない。リード獲得からリードナーチャリングはもとより、製品やサービスの取り扱いからアフターケアまで、およそ想定される企業活動のすべてはコミュニケーションによって成立しているといえる。
コミュニケーションの意義は伝えることにあり、対象が組織でも個人でも最終的な判断は人間に委ねられる。人に伝えることから検討等のプロセスを経て判断に至るが、必ずしも情報が意図したとおりに対象に伝わるとは限らない。誤解が生じることや、検討の俎上にすら載らないことも多々あるのではないだろうか? また昨今は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、対面し会話によるコミュニケーションは自粛傾向にあり、会話以外でのビジネスコミュニケーションの補完には、ITを駆使した施策が現実的だ。そしてWebサイトやメールなどの多くは、ビジュアルを多用し文章構成のディテールに気を配り伝える努力にいとまがない。しかし、いずれも文字による情報伝達に集約され、卓越した会話と同程度以上に対象に伝えるのは難度が高く、ビジネスにおけるコミュニケーションは今まで以上に難局を迎えている。
本書は、企業における動画活用と制作のインハウス化による5つの成功事例を紹介する。動画は文字情報と比較して、言語を主とした音声情報と視覚情報が融合していて情報量が格段に多く、対象に伝わる力が強い。各業界のトップランナー企業等で活用が盛んなことからも、有効性の証左といえるだろう。その一方で多くの企業で広く普及しない一因は、外注による高コストにあるといえる。本書では、動画開発ツールを活用した動画制作のインハウス化を推奨するとともに、コストのみならず企業独自の課題と解決を紹介する。近年、同様のツールやサービスは数多くリリースされ選択肢も増えており、非常に歓迎できる傾向にある。本書で展開される「リチカ クラウドスタジオ」では、導入以降のコンサルサービスが含まれており、導入企業の制作・運用・改善のプロセスをサポートするユニークな構成となっている。時代は5Gに進み、ITによるコミュニケーションのリッチ化は必至であろう、今現在のコミュケーション課題を打破し、企業が前進するためにも動画活用を選択しない理由は見当たらない。本書をご一読いただき、伝えるから伝わるの転換を図り、実りあるコミュニケーションの実践を強くおすすめする。