ビジネスとデジタルとの関係は、ますます密接になってきている。あらゆる業務にデジタルは浸透しているが、競合企業が同様の製品やサービスを導入したとしても、得られる成果は必ずしも一律ではない。企業ごとの文化やデジタルに対する練度の差違もあるが、有効な活用に基づく企業のデジタル変革に全能な成功を約束する雛形がないだけに難度は高いといえる。

 

デジタル変革の潮流とともに、データ活用に取り組む企業も多い。そしてユーザーのタッチポイントの増加に伴い、多種多様なデータを蓄積し、傾向や課題を見出すためにもデータ量は多いものが好まれる傾向が強く、企業に散見されるデータ活用は収集、分析、評価のプロセスを経て経営判断の材料とするケースが多い。しかしデータドリブンな組織を目指すものの、すべての企業がデータを成長に変換できているか疑問は残る。企業のデジタル変革が活性化する今こそ、データ活用の成否の分水嶺を見極め課題を解消する施策が求められるのではないだろうか?

 

本書は「データを活用したデジタル変革を阻む3つの壁」と題し、企業におけるデータ活用の実状を分析・指摘するとともに、データ活用の進むべき方向を提言する。ますます速度が上がる市場動向や、世界的拡散した新型コロナウイルに代表されるように諸般の事情で急変する社会情勢への対応は企業にとって急務であるが、収集、分析、評価だけに終わる多くのデータ活用の現状に警鐘を鳴らし、経営判断の材料として採用するデータの古さにも言及する。企業成長を旨としたBIツールの運用から組織のあり方などについて、3点のポイントを掲げ具体的な改善指針をわかりやすく解説している。またリアルタイムデータの活用事例も収録し、売上20%向上するなど目に見える成果に至るプロセスを紹介する。企業組織においてその施策効果が数値で表れないのであれば、データ活用はすでに壁に阻まれていると認識すべきだろう。本書をご一読いただき、データドリブンの組織構築に邁進していただきたい。