ITの浸透は様々な領域で変化を促し、新たな価値を提供してきた。ビジネスにおけるIT活用は今や日常となり、業種や事業規模に縛られることなく業務に活力を与えている。一方で各企業においてのIT化がすすんでいるということは、多くの企業がサイバー攻撃を受けた際のダメージが拡大することをも意味する。攻撃成立時の被害範囲は、社内業務の大半の停止ばかりでなく、リアルでの営業活動や店舗での販売などの制限からデジタルにシフトした外向けの企業活動の停止も余儀なくされる。近年、増加している情報漏洩などの深刻な被害はとても分かりやすい例である。さらに、コロナ禍によって急激に高まったデジタル消費志向において不正アクセスを受けてのサービス停止などが起きることでユーザーの信頼をより深く裏切ることとなり、毀損されるブランドイメージに付随するダメージは深刻さを極める。そのような被害を回避するために、今こそWebセキュリティの見直しが必要ではないだろうか。
本書は、「3分でわかるWAF(Web Application Firewall)」と題し、WAFの重要性を説くとともに導入への方策をガイドする。本書では活用が拡大するWebアプリケーションの安全性を提起するとともに、既存のファイアウォールとの役割の違いを明確にし、多層的なセキュリティ対策を提唱する。特に自社のWebセキュリティ対策が不安であったり、未知なる脅威に備えてより強固なセキュリティ対策を実施したいと考えている企業は本書をご一読いただき、セキュリティ対策への実行力向上の契機として活用することをおすすめする。