ITは一般用語となる前からビジネスでは活用されてきた。特に金融機関やライフラインなど生活インフラに分類される業界ではいち早くクローズドな形でITが運用・活用されていた。
今日のITといえば、モバイルデバイスの普及を筆頭に一般生活の必需品としてオープンに活用されている。顧客のライフスタイルの変化に応えるためにも、業種業界を問わずIT活用はビジネスを躍進させる中核として、多種多様な施策が外向きにも内向きにも日々展開されている。企業が顕在化してくる課題に局所的に適時対応することは健全なことではあるが、毛細血管のごとく張り巡らされた昨今の組織内のネットワークは高度化・複雑化している。有線のみのネットワークから無線との併用に、所有からクラウドなど枚挙に暇がないほど大枠でも変容しており、外部からの攻撃も含め運用だけでも細心の注意が必要だ。より高度に俊敏なITが企業成長の礎であることは疑いもなく、一部の課題やトラブルだけを注視していては競争力は発揮されないだろう。巨視的にネットワーク全体のありかたを見直すことですみずみまでデータはスムーズに流れ、血栓の対処よりも血栓がそもそも発生しない強い企業体躯を築くのではないだろうか?
本書は、有線および無線ネットワークについて製品メリットを紹介する。ハードウェア、ソフトウェアを問わず新たな導入やリプレースには多くの労力が伴い、既存のシステムとの相性や連携に多くの時間が費やされる。なぜならすべてはネットワークに繋がり、共通の規格であっても異なる製造元で異なる思想のもとに開発された製品であるからにほかならない。ハードウェア・ソフトウェアともに連携が前提となって開発された製品群でネットワーク全体を構築すれば、複雑なさまざまな要件をシンプルに運用することが可能になる。あらゆる方向へのエクスペリエンスの提供が企業力を高め、クラウド+5G+AIを筆頭に技術を融合させた施策が求められる。安全に俊敏なIT戦略を摸索するならば、本書をご一読いただき腰を据えネットワーク全体の考察をおすすめする。