インターネットを通じて政府や企業のITシステムへ侵入し、情報窃盗・妨害行為などを試みる「サイバー攻撃」。その悪質化はとどまることを知らない。攻撃者の自己顕示欲に基づいた技術力誇示、愉快犯的犯行が主流だった時代はとうに終わり、今や「ランサムウェア」に代表されるように、金銭目的での攻撃が常態化してしまった。もちろん、これは日本とて例外ではない。

 

この状況をさらに複雑化させているのが、2020年からのコロナ禍である。テレワークの必要性が急激かつ全世界的に高まった結果、企業のIT部門は対応に追われた。予算や人材をどう確保するのか。一般従業員のサイバーセキュリティ意識をどう向上させるのか。担当者の悩みは尽きない。

 

英国を本拠とするサイバーセキュリティ企業であるソフォスは、日本およびアジア太平洋地区における最新セキュリティ動向について大規模調査を実施した。その結果を取りまとめたのが本書である。900を超える企業のITセキュリティ意思決定者が回答しており、それこそ「経営幹部の理解不足」に苦慮する様子なども伺える、極めて実態的な資料だ。ぜひご一読いただき、自社の現状確認に役立ててほしい。