現代はあらゆる形態のビジネスが企業組織として存在する。活動の領域や手段は異なれども“利益を上げること”“成長すること”“社会貢献”など企業活動の目的は、前進することにあるといえるだろう。人体が歩みを進めるにはエネルギーが必要であるのと同様に、企業は投資がなくしては前進は得られない。

 

企業を維持するための固定費も投資といえるが、固定費だけでは前進は望めない。企業の前進を大局的に考察すれば「事業成果」、そして利益の最大化を目指すことが投資の目的といえるだろう。またより多くの顧客に自社のサービスが認知されることも重要である。知る人がいなければ、高度なITインフラは価値を持たず、ロイヤルカスタマー育成も成立しない。そのためのマーケティングが事業成果向上において必須といえるだろう。

 

コロナ禍、国際紛争など世界中の先行きが不透明な今日において、特に広告投資においては難度が格段に上がっており、当然ROIを重視する傾向は強まっている。出稿先もオンライン・オフラインと選択の幅も広がっており、よりシビアな状況はマーケティング担当者、経営層共に難しい判断を要求する。本書は、判断の根拠となる「広告効果の正しい把握」に着目し、事業成果を最大化するための広告投資の最適化方法をガイドする。現状把握の重要性を説くとともに3つのポイントを掲げ“投資対効果”としての分析要素を的確に解説し、MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を推奨することで企業内での実践についても展開する。業種業態問わずあらゆる企業の投資と前進のバランスの最適化を導く内容となっており、企業人に広くご一読をいただきたい。