新しい技術や概念が社会へ浸透するには、時間がかかる。この常識を視覚的に示してくれるチャートとして、特に良く知られているのが、調査会社のガートナーが提唱する「ハイプ・サイクル」だ。誕生から市場成熟までの変遷を、「過度な期待」「幻滅期」などの表現を織り交ぜながら実に適切に解説していることから、さまざまなシーンで引用・参照されている。
では、AIの現状はどうなのか。自動運転からマーケティングに至るまで、多方面での応用が期待されているAIだが、2010年代後半~2020年頃にかけてはまだ「黎明期」「過度な期待のピーク期」だという。しかし2023年の今もなお、AIの話題は事欠かない。サービスとしてのAIを、より便利に利用するためのプラットフォームも充実しつつある。
こうしたAIの実情を、2010年代中期からの中長期的な視点で解説するガイドブックがこのほど公開された。大学や企業の研究室レベルで提供されていたAIがどう社会へ出ていったのか。ハイプ・サイクルに記載された要素技術にも多数言及している。次の潮流に備えたいエンジニアの方に、是非ご一読いただきたい。