次世代通信規格「5G」の商用サービスが国内でスタートしたのは2020年3月のことであった。この時期は、折しも新型コロナウイルス問題が拡大。人々にさまざまな行動制限が課される中での船出だったが、それから約3年が経過し、5Gはまた新たなフェイズを迎えている。

 

理論構築・研究開発の中から誕生した5Gが、リアルな社会でどう揉まれ、成長しているのか。その最新動向を、統計データや事例を元にまとめたのが本書である。例えば、全世界の5Gサービス契約数は2021年末の6億1900万件から2022年末には11億5000万件へと伸長。また契約数に対する地域別シェア(2022年)はアジア太平洋地域が65.6%で、これは北米・欧州を圧倒するレベルだ。こうして5Gの裾野は確実に広がっていくとみられる。

 

加えて、5Gの用例として「FWA」、そして「ローカル5G」にも注目が集まっている。固定ケーブル式の電話および通信回線を無線で代替したいというニーズが背景にあるようだ。5Gが社会に定着し、「あって当たり前」の時代になれば人々が求めるサービスの質もいずれ変わる。変革の波をいち早く捉えるためのヒントとして、是非本書をご活用いただきたい。