ローコード/ノーコード開発の導入が企業にとって必須の課題となっている。ITリソースやスキルが慢性的に不足している日本では、プログラム知識のないビジネスユーザーの市民開発こそが急務と言えるだろう。市民開発の利点は、業務の自動化や連携をスピード感をもって行えることだ。DXによる働き方改革が急速に進む中、RPAが活用され内製化と市民開発志向が高まり、ローコードの市民開発市場が活気付いている。

 

しかし、市民開発の推進者は市民開発だけでカバーできない部分もあることも認識しておく必要がある。属人化やブラックボックスの回避、成果物の共有や流通、セキュリティやコンプライアンス維持のための機能の付加などは、横断的組織の管理下で適切なツール選定によって行わなければならない。高度なIT知識がある上級レベルのユーザーには、レベルに応じた相応の開発環境を用意する必要もあるだろう。

 

本書では、ローコード開発の利点や効果、内製化の進め方やポイントを経営分析のスペシャリストが解説している。例えば、RPAの利用目的は、単なる人材不足の解消ではなく別の効果に期待している部分もあるという内容だ。また、RPAや申請・承認のペーパーレス化など、DXの最前線に立つ先進企業で導入されたローコード開発の成功事例を紹介しているのでぜひご覧いただきたい。