日ごとに肥大化を続けるデータに対して、ストレージをいかに確保・運用するかに頭を悩ませていないだろうか。データの利活用が重要性を増す今、容量確保や信頼性の担保など、ストレージへの投資に注目が集まっている。
通信インフラやサーバーを24時間体制で運用することが求められるカラオケは、ストレージ負荷が極めて高いサービスの一つに数えられるだろう。特に近年のカラオケは、楽曲データをオンラインで店舗施設へ送信している。つまり、莫大な楽曲データをデータセンター側に常時蓄積しておかねばならないわけだ。もちろん、古い曲だからといってリストから消されることはなく、一方で新曲も登場し続けている。加えて音源の高音質化と映像データを扱う必要性もデータサイズの巨大化を後押ししている状況にある。
本書では、通信カラオケを展開する事業者の取り組みを例に、ストレージの導入から保守・運用の実際を詳説している。その軌跡は、実にメーカー4社、27台にのぼるストレージ機器群で行っていたデータ管理をストレージ1台へ集約するところから始まったというもので、ストレージ関連コストを80%近く削減できた上、導入から5年間を通じてダウンタイムが発生していないという、驚くべきレポートとなっている。業務データの管理に悩む担当者はもとより、経営・管理層にもひろくご一読いただきたい一書だ。