ビジネスは各種の業務システムによって支えられている。何らかの理由でシステムが機能不全に陥れば現場の混乱は必至。商機ロスのみならず、信用失墜なども含めて、甚大な影響を及ぼすことは周知の通りだ。しかし、障害を完全にゼロにすることは難しい。だからこそIT部門などの関連組織は、MTTR(Mean Time To Recovery、システムのインシデント発生から正常稼働に戻るまでの平均時間)をいかに短くするかに躍起になっている。

 

今、インシデント対応の実情はどのようなレベルにあるのだろうか──。ここにフォーカスしたのがIT関連リサーチ&コンサルティング企業である米EMA(Enterprise Management Associates)がまとめた最新レポート「Real-world incident response, management, and prevention(現実におけるインシデント対応、管理、防止)」だ。

 

「AIOpsプラットフォームの利用がまだ初期段階の組織とは対照的に、それを全体で活用し成熟している組織はインシデント対応が最も高いレベルにあることを定期的に報告している」など、興味深いトレンドが調査結果の数値で裏付けられている。システム運用の高度化に、AIや自動化などの最新テクノロジがどのように寄与するかに関心を抱く全てのビジネスリーダーに一読を勧めたい。