手書き文字や紙に印刷された文書などを画像データとして取り込み、テキストデータに変換するOCR。国内で既に50年以上の実績がある技術だが、企業での普及率はまだ低いといわれている。その最たる理由が手書き文字や非定型フォーマットを読み取る認識精度が実用レベルに届いていないと考えられていたことだ。しかしAI技術を用いることで、その壁を乗り越えてみせたのが「AI-OCR」だ。

 

従来のOCRでは95%程度が上限とされてきた認識精度も、AI-OCRでは99%以上まで向上している。弱点とされていた非定型フォーマットや手書き文字に対しても、AI-OCRでは学習により認識精度を高められる。この学習による進化が可能な点も強みの1つだ。紙情報のデータ化が実用レベルまで高められたといえるだろう。

 

この高い認識精度を持つAI-OCRを活用することで、各種手作業の削減や確認・検証作業の軽減による業務効率化、業務の自動化による生産性向上、データのデジタル化と共有による価値創造などを実現している企業も現れている。

 

本書では従来のOCRとAI-OCRの相違点、メリットを活かしたユースケース、導入する際に留意すべきポイントなどを紹介している。最新のAI-OCRの状況を把握し、ビジネス現場に多く存在する眠れる紙の文書を“宝の山”に変えるヒントをぜひつかんでほしい。