今日、多くの企業は、BtoB、BtoCなど、形態問わず、Webサイトを中心にユーザーに広く、多くの訴求を展開する施策をおこなっている。言い換えるならば、Webサイトがビジネスの“入り口”であり、見込み顧客との“要”であると言っても過言ではない。
より広く、より多く、より深くがユーザー訴求の常套手段だが、さまざまな施策をおこない、多くのユーザーをWebサイトに誘導しつつも、“離脱”や“直帰”に頭を痛めている企業も多いのではないだろうか? Webサイトを通じた「ユーザー体験」(UX)を高めて、購入、問い合わせ、ブランディングなどの目的を達成に向け、リッチなコンテンツやWebデザイン、情報設計を見直す改善に奔走する。しかし、直帰・離脱は一向に改善されないというケースも多くの企業で見受けられる。では何が原因なのか?
本書では、Webサイトのサイトスピードに言及し、実際のデータとともに失われる損失と解決方法を解説する。サイトスピードがネガティブ要素となるのは、一般的にも認知されており、CSSやJavaScriptなどによるWebサイト上の軽量化や、サーバーのCPUやメモリを増強して当然対策をおこなっていることであろう。しかし、根本的要因は通信プロコトルに潜む。老朽化してしまった従来のHTTP/1.1は快適なUXを実現するにはいささか役不足である。HTTP/2への移行が優位であるのは明白だが、現実的には常時SSLやセキュリティなど多項の要件をクリアしつつ実現するにはコストや時間などの面で難度は高い。HTTP/2化には時間・コストだけでなく、スケールメリットの高いBIG-IPを推奨する。諸処の事情により、HTTP/1.1での運営を強いられている企業だけでなく、Webサイトのパフォーマンスに悩む諸氏にぜひご一読頂きたい内容となっている。