ネットワーク経由で動作するシステムやアプリケーションは、今や多くの企業にとって日々の業務を支える重要なツールとなっている。様々なSaaSを日々活用する中で、Microsoft 365やWeb会議システムの遅延が気になったことはないだろうか。

 

ネットワーク経由で動作するソリューションでは、どのような通信経路が用いられているのかが速度や安定性の胆となる。逆の言い方をすれば、経路によってはボトルネックが発生しかねないということでもある。こうした問題を解決する手段としてはローカルブレイクアウトがあるものの、単に混雑箇所を回避させるだけでは問題となっているSaaSの改善に寄与しないケースもあるという。

 

では、どうすればいいのだろうか。こうした疑問に対して、本書ではクラウドサーバーとのネットワーク接続を徹底して掘り下げることで解決へ向けた道筋を示している。どのような仕組みでネットワークの接続経路が確立しているのかを把握することは、問題の根本的な解決に向けた糸口をつかむことにつながるだろう。無論、拠点間のやりとりや迅速な業務対応においてもネットワークの安定性確保は欠かせない。そうした点からもネットワークへの理解を深める意義は大きい。ぜひ部門を越えてご一読いただきたい一書だ。