企業活動を行う上で、ICTの活用戦略は重要な位置を占めている。ICTによる業務の効率化は、内部的には“働き方改革”であり、生産性の向上はもちろんのこと、ビジネスプロセスを広くオートメーション化できれば企業価値向上に大きく関与する。
また、進化が著しいICTの潮流で、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の出現は、さらに大きな変革の機会をもたらしている。マーケットリーダー企業への導入が進み、多くの成果を上げている効果・実力は読者諸氏も聞きおよんでいることだろう。そのRPA分野で今最大のトレンドは「コグニティブオートメーション」である。
本書はコグニティブ(認知)の定義をはじめ、RPAにコグニティブ機能を付加させる意義を解説する。数値を示した導入効果だけでなく、企業がコグニティブオートメーションを導入時に押さえるべきステップについても解説している。本書の予測で「今後6カ月以内に、RPAを実施する企業のほぼ半数がコグニティブ機能を備えたものにしようとしています。」とあるとおり、市場は驚くほどのスピード感をもって推移している。RPA導入企業はもとより、RPA未導入企業においても市況で勝ち残るために、今こそつかんでおくべき内容となっている。