働き方改革関連法の適用が4月より順次開始されたが、「人材不足」「残業削減」など企業が今取り組むべき課題も多く、加えて「生産労働人口の減少傾向」など、労働力への将来展望も明るくない。そんな状況でも今を生きる企業は、課題山積の景況下で生産性を維持しつつ、高まる国際競争力にも対峙し、ビジネスを継続させる使命を帯びている。
このような状況のもと、生産性・効率化の向上の切り札としてロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)が注目されている。RPAは認知技術を基盤にソフトウェア・ロボットがホワイト・カラー業務を自動化させ、実行においてはプログラミングの知識を必要としないフレンドリーなUIで構築される特長を持つ。総務省の発表では、「国内14.1%の企業が導入済み、6.3%が導入中、19.1%が導入検討中」(2017年調査データ)、また2021年の市場規模は100億円と予測され、過渡期ではあるが「検討中」が「導入済」を上回ることからも、RPAに対する企業の有用性と期待度の高さがうかがえる。
本書は、RPA導入後の運用における6つの課題と対処解決方法について解説する。RPA導入の効果を最大限に発揮するには運用を司る組織や人の介在なくしては成り立たない。主軸はあくまでビジネスにあって、ロボット運用だけでなく、KPI測定・セキュリティ・ガバナンスなど押さえるべき要点がわかりやすくまとめられている。RPA導入済みの企業だけでなく、RPA未導入企業においても、今後の生産力維持向上に役立つ内容となっている。業界業種を問わず多くのビジネスパーソンにご一読を強くお勧めする。