IT分野の進化は、速く常に著しく、10年前、3年前のビジネスや生活スタイルを思い起こせば、当時は想像し得なかった職種やサービスが今ではあたりまえのように存在している。特に動画を取り巻く情報配信の進化は特出しており、回線環境の進化によって、よりリッチなコンテンツをユーザーは享受し、“ソーシャルメディア文化”が追い風となって情報発信の単位が個人レベルにまで降りてきている。
一般ユーザー投稿型のプラットフォームは、投稿者が専門職業として成り立たせるほどに進化する一方で、テレビ局に代表される、自社制作コンテンツを配信していた従来型のコンテンツホルダーも、動画配信を視野に入れたビジネス戦略に切り替えてきている。さらには、多くの会員を保有する各種サービス業者も有料オリジナルコンテンツを投入するなど。動画配信ビジネスに参入してきている。
本書はインプレス総合研究所が「動画配信ビジネスの歴史と最新概況」についての特別編集レポートとなる。5Gなど次世代通信の市場投入が秒読み段階に差し掛かり、テクノロジーの進化だけでなく、文化としての成熟が進むソーシャルメディアの主軸となりつつある“動画”であるが、今の躍進に至るまでにさまざまな変遷やビジネスチャレンジが繰り返されてきた。今後も新たなビジネスや新価値の創出は予見できるが、その内容・ビジネスモデル詳細についてまでは想像できず、非常に多様性と競争性を帯びており、未来を言い当てることは不可能だ。本書をご一読いただき、動画配信ビジネスの歴史に学び、トレンドを把握することで、将来の動画配信ビジネスの姿を考えてみよう。