データ活用はビジネスに大きな変革をもたらした。その背景としてデータセンターの功績は非常に大きいものである。しかし今日では「データ資産化」が声高に叫ばれ、運用効率とコストバランスに優れる「クラウド」市場が急成長をとげている。

だが、安定性にも利点を見いだされている大手パブリッククラウドであっても、最近の報道にあるとおり「大規模障害」にみまわれ、多くの利用者がサービス停止に直面した。企業の中には、クラウド活用を推進しつつ、BCP対策の見地からデータセンターの活用方法を改めて摸索する動きも出てきている。データセンター市場は需要が逼迫していたとされる2005年以降、大きく変化している。より安定した企業活動を推進するうえでも、現在のデータセンター事業者の動向を把握する必要がある。

本書は、インプレス総合研究所による「データセンター調査報告書2019」より一部抜粋し、データセンター事業者における「今後の事業と投資の意向」をレポートする。データセンター事業においても「所有から利用」の波が来ており、「DC in DC」(データセンターとして利用可能な施設・設備を保有している事業者を大家として、別の事業者がその一部を借り受けてサービス提供する形態)で調達を行うケースも調査によって公開される。あわせて「新設のデータセンターのファシリティーとスペック」などについても言及している。顧客ニーズに対応すべく、データセンター事業者の方向性も多様化している。企業インフラの「見直し」と「強化」を計るうえで、データセンター事業者の選定に参考となる内容となっている。