企業の中には、収益直結の実務にあたる直接部門の他に、その直接部門をサポートする間接部門がある。具体的には、総務や人事、経理、法務、IT部門などだ。それぞれの現場には多種多様な業務が日々回っており、中でも「従業員からの問い合わせや要請に一つひとつ応える業務」が相当数に上るのが通例だ。

競争力向上という文脈では、ともすると製造や営業といった直接部門の強化に矛先を向けがちだが、それだけでは不十分。間接部門の生産性や品質を追求することで、結果的に最前線がコア業務に集中できる体制を整えることも極めて重要だ。つまり、従業員対応を「サービス」と捉えて、継続的に改善していくことがボティブローのように競争力に効いてくるのである。

もっとも、そこにばかり人的リソースを割けない実情もある。限られた人員で最大のパフォーマンスを発揮する知恵がカギとなり、だからこそITの巧みな利活用が不可欠だ。ここで紹介するのは、IT関連部門を皮切りに変革に乗り出しているパソナグループの果敢な取り組みを紹介した資料だ。サービスをする側も受ける側もハッピーになり、一体感を高める仕組みとは──。デジタル変革の視点を、社外のみならず組織内にも向けるべきことを理解する好事例である。