企業のITインフラがビジネスに不可欠なものとなっていく中、地震や水害など頻発する自然災害や、システム障害への備えはさらに重要になってきている。企業には、BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)といった企業の事業計画全体も含めて、ITインフラの障害対策を考えることが求められている。

企業がデータセンターに求める大きな役割のひとつは、安全な立地や安定した電源供給に基づく信頼性であり、その役割は現在も大きく変わっていない。一方、これまで経験したことのないような自然災害の増加や、大規模な停電、分散・複雑化したシステムへの対応など、データセンター側が考慮しなければならない事項も増えている。さらに、クラウドサービスとの連携や、5Gの普及により新たに生まれるニーズなど、データセンターには今後のユーザーが求めるものを踏まえた施策が必要とされている。

本書は、インプレス総合研究所が独自に行った商用データセンターに関する企業実態調査のダイジェスト版となる。ユーザーがデータセンターに強化して欲しい点を、売上別や役職別に集計した調査結果のほか、データセンターのリスクと災害について、さらに5Gが創出する新たなデータセンターのニーズについて解説している。特にデータセンター事業者の企画・運営担当者には、ぜひご一読をお勧めする。