日本のビジネスシーンにおいて、コンピューターの活用が広がったのは1980年代のことだった。その後もインターネット、モバイルデバイスというトレンドを組み入れつつ、時代に合わせて進化。2020年代になると主役の座はスマートフォンへと移った。こうしてハードウェア環境が激変した以上、各プラットフォームで動作するソフトウェア──つまり「アプリ」もまた、設計思想や内部的構造を見直すべきタイミングがきている。

 

最新の業界標準技術などを積極的に取り入れ、従来型のIT環境を刷新する取り組みは「モダナイゼーション」と呼ばれ、いま大いに注目されている。特に近年は、クラウド技術が完全に普及・定着の域に達したこともあり、クラウド活用を大前提とするアプリ開発が日常的に行われている。ハードウェアとクラウドの組み合わせ方は、ITシステム開発における中枢と言ってもよいだろう。

 

モダナイゼーションの実現をサポートする動きも盛んだ。本書は、主要クラウドプラットフォームがどのような環境を提供しているか、網羅的に解説した資料である。現場エンジニア向けのワークショップ、コンテナ管理などの各種テクノロジー解説、そして参加型イベントの概要まで、幅広い内容を取り上げている。これからモダナイゼーションに取り組む多くの開発者にご覧頂きたい。