財務や人事、給与計算を司るシステムは企業経営を支える根幹として機能している。しかし長期運用に伴う改修の繰り返しにより、現在のビジネス環境にそぐわない状態となっているケースも多い。クラウドベースのツールが進展した今、基幹システムの見直しを迫られてはいないだろうか。

 

迅速な判断が求められる昨今のビジネス環境下では、効率的なデータ共有が欠かせない。しかし、ある部門が持っているデータを他の部門では共有できないといったサイロ化に悩まされている例も多い。複数のシステムを一元化し、ビジネスのダウンタイムを最小化する取り組みは、ますますその重要性を増してきている。DX化に向けた取り組みが続けられる中で、社内の既存管理ソリューションとの連携をいかにとっていくのかも大きな課題だ。そのためにも今、基幹システムの見直しが急務となっている。

 

だが、一口にシステムの見直しと言っても、対象の規模は壮大だ。単一の機能や役割に絞ったとしても、確認すべき点は多岐にわたるため、着手に手間取り、時間を浪費してしまいかねない。そうした中で、せめてベンダーやシステムの選定で留意すべきポイントがわかれば、といった悩みに本書は指針を与えてくれている。解説されている項目の内容は多岐にわたるが、システムに求める機能や導入時の利点などが、大きく3つの視点からまとめられている。そのため、自社の状況やシステム導入にあたって期待している内容と重なる点を発見・整理する上でも活用することができるだろう。スムーズなシステム導入あるいは移行を実現する上でも、本書は頼もしい導き手となってくれるに違いない。