企業がサイト運営を行う際は目的を持っており、「買う」「知る」「問い合わせる」など行動形態は異なるが、広くカスタマーへの訴求を展開する。カスタマーエクスペリエンス(CX)を意識したサイト構築と運営は、Web担当者だけでなく企業のブランドやビジネスまでにも波及する経営的な課題である。

 特にECサイトなどは、CXの5つの価値要素の一つである「感覚的価値」を重視し、サイト上の“視覚”を通じた経験にさまざまな施策をとっている。一覧性を高めた商品群の画像、個別商品の細部まで伝わる高画質画像など“視覚”に訴える手法は、ユーザーのWeb体験を充実させる手法でもある。その反面、ユーザー側へのデータ転送量の増大を招き、表示速度の悪化は即離脱に至らなくとも、ユーザーの信頼は得がたく、コンバージョンへの障壁となりえる。

 本書では、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」が、高画像品質と表示速度という相反する要件を、画像自動最適化の導入によって手間と時間をかけずに解決した事例を解説する。同サイトが目指すユーザー視点での品質向上と、細かな画像処理作業が難しい運営現場の事情など、ECサイトだけでなく多くのサイトが抱えている問題が浮き彫りとなっている。文中に記される「コンバージョンに結び付いていく施策の地道な積み重ね」が示すとおり、運営負荷も軽減して、継続して施策運営を行う好事例といえる。