「PCは一人一台」があたりまえとなって久しいが、業界や規模を問わずに最も利用機会が多いソフトウェアは、いつの時代もMicrosoft Officeであり、今後もスタンダードであり続けるだろう。

近年ではOffice 365を導入する企業も増え、読者諸氏もご存知のように、社内ユーザー全員が最新版を使えるセキュリティ・メリットや、管理者の一括ライセンス管理など、内部統制が重要視される時流とも合致した利用環境が支持されている。しかし導入が進む反面で、「Officeの動作が遅くなった」、「思わぬ通信障害で業務に支障が出た」などの現象も増えてきている。利用頻度・価値ともに高く、業務の重要部分で活用されるOfficeだけに、生産性の低下を招いてしまっているケースが散見されるのは惜しい。

本書は、Office 365の「遅い・重い」に焦点を当て、Office 365の特性を踏まえたネットワーク環境整備を提唱する。クラウドとの連携も多い現在の企業事情に合わせたモデルケースも紹介しているので、自社の環境での検討もイメージしやすいだろう。利用人数、利用頻度ともに高い末端のレスポンス不良は、意外と見落とされがちな部分だが、組織全体でみれば大きな損失ともいえる。本書をご一読いただき、社内の実態調査などからOffice 365の利用環境改善を推進し、生産性向上に奮励してはいかがだろうか?