業種業界を問わず業務上で、何らかのシステムを活用している。基幹システム、開発環境開、勤怠管理、ビックデータ……。企業ごとに重要度や要件に差違はあるが、いずれも確実に動作させる使命を帯びており、ITインフラは重要性がますます問われ、企業活動の原資ともいえる。

しかし、多くの企業は常に「ビジネス課題」と「システム課題」を抱えている。各課題は、企業事情や経営方針などによって、実に多種多様だが、必ずITインフラと「ヒト・モノ・カネ」が関わってくる。特にITインフラに関しては、過ぎた選択をすれば継続的にコストを圧迫し、頻繁な改編や増設は企業全体の停滞をも招きかねない。当然近年叫ばれる事業継続性(BCP)も考慮する必要に迫られる。王道が存在しない領域なので、実に悩ましい問題である。

本書は、Oracle Cloud導入事例を解説する。収録されている業種業態の異なる6社の企業は、システムの活用用途や求む方向性も実に多様で、共通点は主に従業員1,000名以下の企業であることだけである。従業員数と事業規模は必ずしも比例しないが、国内の大半を占める中小企業枠に該当する企業である。個別の解説には、各社のビジネス課題に即したクラウド選定基準を軸に、「導入の背景と狙い」「効果」と同一のフォーマットで収録されているので、企業ごとのビフォー・アフターが把握しやすく、比較も容易な構成を採る。読者諸氏の企業が「課題」に取り組む前に、ぜひともご一読いただきたい内容となっている。