近年、企業のデジタル組織化が高唱されている。製品・サービスの質の向上と顧客満足度を高次元で維持していくことは、企業競争力を高め、利益を産み、企業の持続可能性が高まることは明白だが、万能な解は存在せず、企業活動における永遠の課題ともいえる。

そしてデジタル文化の高まりは、多くの“革新”を市場に与えてきている。特にクラウドは登場はサーバー・ストレージのあり方を大きく変革してきた。数年前であればクラウドへの切り替えによってコスト削減やビジネス優位性は担保されていた。しかし、時代のビジネスニーズは「スピード」「柔軟性」「拡張性」へとシフトしてきている。そして今日は、よりクラウド活用に特化した「クラウドネイティブ」なテクノロジーによって、ダイナミックな環境下でスケーラブルなアプリケーションの開発と実行が企業力を高める時代となっている。

本書は、「クラウドネイティブ」時代に対応すべく、エンタープライズ・クラウド活用ビジョンとユースケースを紹介する。「クラウドネイティブ」実現の技術要素は「コンテナ」「オーケストレーション」「マイクロサービス」が要点となる。オーケストレーションツールとして発展著しく、デファクトスタンダードとして広く認知される「Kubernetes」はクラウドネイティブ・コンピューティングにおける重要トピックでもある。本書では「Kubernetes」を中心軸に登壇した3名の識者の講演内容を収録し、また2社の導入活用事例も紹介されている。本書をご一読いただき、いち早く「クラウドネイティブ」に取り組んでみてはいかがだろうか。