企業規模や組織規模にかかわらず、IT活用が大きな役割を担う比率は年々高くなっており、担う業務が高度で複雑なものであればあるほどに輝きは増し、享受できるメリットも多くなるといえる。
その一方で、IT運用管理の重要度と難度のハードルは高いものとなってしまっている現状が存在する。エンドユーザーが大人数であったり、製造ラインなどを抱える現場では、アップグレートにともなう長時間のシステムダウンタイムやヒューマンエラーなどによる不具合がおよぼす影響範囲が広く、大きな損失ともなりかねない。さらに管理部門へのプレッシャーも高まるばかりといえる。
本書では、10万人以上からなる正規軍および予備役をエンドユーザーに有し、27カ国に展開する超大規模組織といえる英国陸軍の情報アプリケーション・サービス(IAS)の事例を紹介する。軍であり、国防という我々が普段目にすることの少ない領域だが、抱える課題やアジリティと提供スピードに対する要件など、一般企業においても参考になる内容となっている。「間違いが許されない」現場こそ、自動化が果たす役割が際立つ好例といえる。