業種業界を問わずIT活用による事業改革が声高に叫ばれている。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」というDX(デジタルトランスフォーメーション)の概念は、企業のあるべき姿を指し示す大号令ともいえる。

その流れを受け、AI、IoT、自動化、クラウドなど、企業のDXを進める多くのキーワードが登場し、読者諸氏も情報をキャッチアップして日々理解を進めていることだろう。しかし自社の改革は進んでいるだろうか? 用語の理解は深まっても、いかに自社の事業に落とし込んで実行するかということは、ある意味別の課題であり、実に困難を極める。なぜなら、業種業界によってITテクノロジー活用の手法は大きく異なり、“紋切り型の論法”では改革は成されないからだ。

本書は、製造業におけるIT戦略の概要を解説する。「クラウド」「モノのインターネット」「AI」「高度な自動化」と最新技術トレンドを製造業に特化して、用語と実行の勘所を的確に指摘する。企業は、市場の波に翻弄されようとも、時代の変化を捉え、事業を守り“生き抜く”使命を帯びている。個々の事情にも落とし込みやすい内容となっているので、本書をご一読いただき、机上の知識ではない実の事業改革を推進してみてはいかがだろうか。