近年、企業のITへの設備投資は右肩上がりに成長している。業種業界問わず、ビジネスを発展させる上で注力すべき存在であることは確実だ。

クラウドと仮想化の登場は多くの企業にITインフラを見直し、強化する機会を拓いた。いずれもコストメリットが放つインパクトは企業に強く響き、早期に舵を切った企業も多いと思われる。今日の企業ITインフラの状況を見渡せば、クラウドで逆にコストが肥大化した、3Tier型やコンバージドインフラの仮想化構成で運用管理に手が回らないなど、現場のシステム管理者からの悲痛な声も届いてくる。テクノロジーの進化は速やかで、選択肢は着実に広がっている。ITインフラ戦略においても、今一度、大局観的視点をもってビジネス基盤を築くべき時期ではないだろうか?

本書は、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)について解説する。コストは重要な課題であり続けるが、ビジネスの課題は時間や人員など日々の業務効率でも多く生じている。常態化したデジタル活用は業務の要となって、さらに拡張性や冗長性を見据えなければならない。本書では、SDS(Software-Defined Storage)とサーバー仮想化技術により、シンプルな構成でミニマムスタートと高コストバランスに富み、冗長構成、運用管理負荷軽減を実現するHCIの導入メリットを展開し、あわせてサポート体制、バックアップにも言及する。本書をご一読の上、ビジネスの未来と企業の実状を踏まえたIT戦略の選択肢としてHCIにぜひともご注目いただきたい。