「かつての日常は戻らない」と評されるほどに、社会は世界規模で変容した。日常生活や消費動向も変わり、企業での働き方はリモートワークへと切り替わりつつある。企業責任からもリモートワーク導入が望ましく、多くの企業が手探りの中で環境を整え、走りながらルールを整備し実施に至っている。日本企業で多数の従業員を対象するリモートワーク制度・設備を予め有する組織は極めて希で、多くは緊急事態宣言を機に急ごしらえで対応し始めたというのが実状ではないだろうか。

 

しかし以前より日本企業の国際競争力を基軸にとして“デジタル改革”や“働き方改革”は政財界を中心に提唱され、その中にリモートワークも盛り込まれていた。また、東京オリンピック開催期間中の交通混雑緩和を目的とする“テレワーク・デイズ”も関係各省・団体の連携の下に2017年より企業のリモートワーク実践に向けた布石として推奨されていたが、国内企業全域にリモートワークが定着することも活性化することはなかった。日本を「テレワークに向かない国」と切り捨てる論調も見受けられるが、現実問題としてリモートワークは実践されており、企業におけるこれからの働き方のスタンダードとなりつつある。企業成長を見据えるならば、ある程度の時を経てリモートワークに慣れてきた今こそ、未来に向けた課題を洗い出し対処する必要があるのではないだろうか?

 

本書は、法人向けソフトウェア・クラウドサービスのレビューサイト「ITreview」で、コラボレーションツール「Slack」について寄せられた1,000件以上のコメントから導かれた、リモートワークの活性化実現に向けた3つのポイントを解決策として提言する。今後もリモートワークが企業活動の中心となることは必至であり、リモートワークの成否がビジネスの持続性にも多大な影響をおよぼすだろう。職種・職責にこだわることなく、すべてのビジネスパーソンにご一読をおすすめできる内容となっている。