ビジネスとITの緊密さは増してきている。単純にIT投資がビジネスに優位性を発揮した時期もあるが、様々なサービスが市場に投入される昨今では“いかにITに投資したか”よりも“どの様なITでビジネスを前進させたか”と自社の指針と課題に対して的確なサービスを選択した企業が競争力を発揮する時期にさしかかっている。
近年ほどITが事業継続性に関与した時期は、いままで存在しない。日本国内ではロックダウンこそ実施されなかったが、業務実施はオフィスへの出社が前提ではなくなってきている。VDI(仮想デスクトップ インフラストラクチャ)に備える企業には一定のアドバンテージがあったと思われる。またITトレンドを鑑みればパブリッククラウドの躍進が著しく、ハイブリッド、マルチ、はたまたオンプレミスへの回帰など企業の選択は一律ではなくなってきている。選択肢は増えたが最適解は一律ではなく、各企業事情に即した選択こそが望ましい。何を選択しようが耐障害性、コンプラインスは最低限確保すべき項目といえよう。変化著しく予測が難しい昨今において、常にビジネスを前進させる選択が肝要であり、サービスの特性を広く深く理解する取り組みが今まで以上に重要となってきている。
本書は、VMware Horizonによるハイブリッドクラウド活用のユースケースを紹介する。VMware Horizonはデスクトップとアプリケーションの仮想化製品として広く認知されているが、パンデミックにおける一時的な優位性だけではない。本事例では、ワークロードの追加や拡張をプライベートクラウド、パブリッククラウド、オンプレミス枠を超えて柔軟に導入できるスケールアップ/ダウンへのコストメリット、オンプレミスのプライマリサイトとクラウドのディザスタリカバリサイトを併用した事業継続性強化の事例を紹介している。ビジネスニーズに迅速に対応し、より俊敏で耐障害性に優れたビジネス基盤を求む企業人に、ぜひご一読をおすすめする。