我々を取り巻く環境は絶えず変化している。地球環境、世界経済、国内情勢、社会システム等々枚挙に暇がないほど、ミクロにもマクロにも幾層に折り重なり動きながら現在を形成しており、“平坦な日常”は実はあり得ないと言えるだろう。企業のビジネスともなれば、優秀な人材による個人の機転と裁量だけで適時・的確に対応するにも限界がある。

 

近年では新型コロナウイルスの蔓延に象徴されるとおり、想定の範囲を超えた企業の対応力が試されてきた。事業規模に関わらず企業とは様々な要素で構成される集合体で、言うなれば屈強な“ビジネス・マシン”でなければならない。企業ビジネスを俯瞰すれば多様な要素が、多層で動的な現在に対峙している構造といえる。経営資源においてはすべてが重要であることは間違いなく、強力なエンジンや超精密ネジを装備するだけでは“ビジネス・マシン”は稼働し続けないだろう。また、工業界では生産効率向上と不良率低下の飽くなき追求を続け、センシングとカイゼンが発達してきた。DXや企業変革が叫ばれ、環境変化の著しい昨今、あらゆるビジネスにもセンシングとカイゼンのように企業組織全体をダイナミックに躍動させる要素が必要なのではないだろうか。

 

本書「戦略を成果に」は、オペレーショナル・エクセレンスをテーマに、実現に向けた推進要素を解説する。オペレーショナル・エクセレンスとは、企業が価値創造のための活動の効果・効率を高めることで競争上の優位性を構築し、徹底的に磨き上げることとされ、結果として持続力の高い優位性を企業にもたらすものとなる。ご承知の読者諸氏もおられることと思うが、ではどのように企業活動に落とし込むかに苦慮しているのではないだろうか。本書では、現代のあらゆる業種が対峙する企業競争の課題を5つ掲げている。課題解消には「変革を推進して競争力を高め、不安定かつ複雑な市場に対応する」を主題に、エンタープライズ管理システムARISの有用性を提唱し、その特徴とともにオペレーショナル・エクセレンス推進要素を9つに分類して解説展開するロジカルな内容となっている。ビジネスプロセス、システムをARISで一元管理、可視化することで、企業活動全域での変革に寄与し、強く迅速な対応力が形成される。まさにビジネス全方位に対応するセンシングとカイゼンと言えるのではないだろうか。ビジネスパーソンすべてにご一読をおすすめする。